集客のための店舗デザイン – 6
今回も集客ノウハウといった内容のお話になりますが、
広義の店舗デザインということで、一読いただければ幸いです。
さて、私たちには何人のファンがいるでしょうか?
そもそもファンとは、私たちが提供する商品やサービスを繰り返し使ってくれる。
知人にも購入や来店を勧めてくれる。
と言うふうに、長期的に私たちを支えてくれる存在のことだと考えます。
では、どうすればファンを獲得できるでしょうか?
お店の雰囲気や商品をお客様に気に入って頂くためには、
マニュアルどおりの対応ではサービスとして不十分です。
お客様の期待や想定を上回る「感動体験」を提供できて初めて、
お客様はファンになってくれるのです。
それでは、感動体験を提供できる人の資質・条件とは、
1.自分が働くお店や商品を心から愛していること
2.お客様が本当に求めているものを引き出すスキルを身に付けていること
3.型にはまらないサービスの応用力があること
ここで、感動体験の連続で多くのファンをもつ
東京ディズニーランドのお話を紹介したいと思います。
上に挙げた3つの条件は当てはまっているでしょうか?
「ディズニーランドのいい話」
あるご夫婦がレストランを訪れ、食事のオーダーをしました。
「Aセット一つと、Bセット一つ」ウェイトレスが注文を聞き、
その場を離れようとしたその時、夫婦はしばし顔を見合わせ
「それとお子様ランチを一つ頂けますか?」と言いました。
ウェイトレスはテーブルを見渡し、
「お客様、誠に申し訳ございませんが、お子様ランチは小学生のお子様までと決まっておりますので、ご注文は頂けないのですが・・・。」
するとそのご夫婦はにっこり微笑んで、「それなら結構です」と言われたそうです。
どうしても気になったウェイトレスは、勇気を出してマニュアルから一歩踏み出し尋ねてみました。
「失礼ですが、お子様ランチはどなたが食べられるのですか?」
その夫婦はしばらく顔を見合わせ、沈黙した後、話し出しました。
「実は、私どもには以前子供がおりました。
しかし、幼くして亡くなってしまって、
一度もディズニーランドに連れてくることが出来なかったのです。
子供を亡くしてからはしばらく何もする気力も起きず、
ただ呆然と毎日を過ごしていたのですが、ようやく最近落ちついてきたので・・・
今日は亡くなった子供の誕生日だったものですから・・・
親子三人で一日思いきり楽しもうとディズニーランドにお邪魔したのです。
思い出に三人で一緒に食事をしようと思ってお子様ランチを頼んだのですが・・・
ただ、今日はもう十分に楽しませて頂きましたので・・・。」
そう言うと二人はにっこりウェイトレスに微笑みました。
ウェイトレスはその場でご夫婦に頭を下げ、
その足でマネージャーに報告に行き、全てを話しました。
聞き終えたマネージャーはすぐさま厨房のシェフに向かって
「お子様ランチひとつ!」とオーダーをし、
ウェイトレスに「お子様用のイスを用意して!」と指示を出しました。
その数分後、運ばれてきたのは夫婦のオーダーした料理と
『お誕生日おめでとう』のプレートが立ったお子様ランチでした。
「お客様、大変お待たせいたしました。ご注文のお子様ランチをお持ちいたしました。
お子様のイスはお父さんとお母さんの間でよろしいですか?
では、ゆっくりと食事をお楽しみください。」
ウェイトレスはそう言ってその場を去りました。
後日、このご夫婦から手紙が届いたそうです。
「あの日、食事を戴きながら涙が止まりませんでした。
まるで娘が生きているような家族の団らんを味あわせて戴きました。
あのような優しい思い出を頂けるとは、夢にも思いませんでした。
今度はあの子の妹か弟かを連れてきっとまた遊びに行きます。」と。
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